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経営・挑戦

田沼代表インタビュー「『営業』という仕事で大切にしていること」【前編】

180度変わった「営業」のイメージ


――会社員時代も含めると、「営業」という仕事に長く従事していますよね。田沼代表は営業の仕事をどのようにとらえていますか。

田沼 実は最初は営業という職種にあまり良いイメージは持っていませんでした。どこか「嫌がっている人に無理やり買わせる」ようなイメージがあったんですよね。とはいえ当時は会社員。営業担当としてのノルマもありますし、“数字”を追い求めないといけません。「どうやって売るか」を考えながら、ひたすらお客様のもとをまわり始めました。

 しかしこのご時世、ひたすら「お願いします!」と叫べば受注が増えるわけではありません。先輩から引き継いだお客様を訪問しても、たいていが「いつも通りよろしく」というお話で終わってしまう。もちろん、継続して発注を続けていただけるだけでも大変ありがたいことなのですが、そのままでは売上を伸ばすことはできないどころか、“ジリ貧状態”に陥りかねないなと。そして次第に、「これ、自分がいる意味あるのか……?」と思うようになりました。割り振られた担当企業をまわって決まったやりとりを繰り返すことへの違和感ですかね。

 こうした中、懇意にしてくださっているお客様から、「困ったなぁ」という言葉が。詳しく尋ねてみると、従来の仕入れルートがあまり機能しなくなり、思うように部品が入手できなくなっているとのこと。

 そう簡単に解決策を示せそうな内容ではなかったのですが、せっかく聞かせてくださったお客様のお悩みです。まだ新米だった私なりに代案をまとめ、後日ご提示してみました。すると「これなら何とかなりそうだ!」と、大変喜んでいただけたんですね。そのままこちらの提案通りに新たな発注をいただけて、「売上が増えただけでなく、こんなに喜んでいただけるなんて」といった具合で、ちょっとした驚きがありました。

 言ってしまえば、よくある「営業のやりがいとは」という話でしかないのでしょうけど、当時の私にとっては、「営業」という仕事へのイメージが180度変わるきっかけになったんです。

本質は「お客様の課題解決」にある


――営業は人の役に立てる仕事だと気づいた。

田沼 はい。お客様の悩みに寄り添い、それを解決した先に、数字という成果が副次的についてくるという感覚ですよね。それに気づいてからは、お客様に対する向き合い方も大きく変わりました。

 密にコミュニケーションをとることでお困りごとを打ち明けてくださる方がいらっしゃれば、自分の営業成績以前に、まずはお客様の課題をどうすれば解決できるか、全力で考える。

 あるいは、そのような「待ちの姿勢」だけでなく、その会社のことをよく調べ、よく見て、よく話を聞く中で気づいたことを、こちらから伝えてみる。すると、お客様自身も気づいていなかった課題が見えてきたりして、こちらで力になれそうな領域が広がっていくこともありました。

「お客様と仲良くなることに注力して注文をもらう」「とにかく頭を下げて注文をもらう」。そのような“古き良き“の営業を否定するつもりはありませんが、私の営業担当者としての存在意義は、お客様の課題解決にこそあるなと強く思いました。

 そういう意味では、以前抱いていた「結局は値段勝負」という商社の営業へのイメージも、大きく変わりましたね。その会社でしかつくれない商品があるメーカーとは違い、我々のような卸売りを行う会社は、いってしまえば「仕入れ仲介」に過ぎません。お客様からすれば、どうせ同じ商品を仕入れるなら、安いルートが良いに決まっているだろうという話です。

 ですがそれも、本質とは異なるものだなとわかってきました。もちろん、価格が重要な指標であることは言うまでもありませんし、当社も最大限お客様に寄り添った価格設定を心がけています。ただお客様としては、「その部品を安く仕入れる」こと自体が目的なのではなく、予算の範囲内で製品を完成させて、会社に利益をもたらすことを目指しているわけです。そうであるからこそ、価格のその先にある課題を解決できてこそ、本当の意味でお客様に喜んでいただけている実感があるのもまた事実なんです。値段勝負という狭い思考にとらわれるのではなく、納期、品質、梱包形態、訪問の頻度や仕方、発注のしやすさなど、あらゆる面からお客様のことを考えた提案をすることが大事なのだろうと思います。
 
 そしてそれを実現するには、お客様のことを知るための努力や、業界の勉強も怠ってはいけない。そんな意識で営業を続けていると、自然と売上も増えるものなんですね。ありがたいことに、23か月連続で個人の目標数字を達成することができ、社内の歴代最高記録を打ち立てることができました。営業歴も長くなってくるほど、それが「お客様のおかげでしかない」ということが身に染みてわかります。

後編へ続く)

※企画・編集=合同会社エクシード広報室
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