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M&A・事業承継

「良いところを残すM&Aを」3件の事業を引き継いだエクシードが担う“買い手側の責任”

M&Aによって「モノづくりのDNAを次世代につなぐ」ことを一つの理念として掲げているエクシードは、この2年間で合計3件のM&Aを実現させてきた。特に売り手側の企業にとっては重大な転機となるM&Aにおいて、田沼優基代表が大切にしているものとは何か。

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 企業の「買い手」として背負うリスクは小さくない上、何より「売り手」側からの信頼を得られない限り実現しない困難な事業だ。これまでのM&A事例を、代表の田沼優基氏はこう振り返る。

「昨今は、土地などその会社が持つ資産を手に入れる目的で買収し、欲しいものが得られたら早々に廃業したり、急な方針転換を行ったりするケースが増えているとも聞きます。しかし当社は、とにかく『その会社の良いところを残したい』という思いで各社と向き合ってきたつもりです。これまで3件の事業を引き継がせていただけたのは、その思いが伝わったからこそなのだろうと思っています」

 後継者不足に悩んだ末の事業承継のみならず、時には赤字体質に陥っている会社に手を差し伸べる形でのM&Aも行ってきた。こうした中で田沼氏が大切にしているのが、「残すべきところを残すために、変えるべきところを変える」という考え方だ。

「『経営の効率化を図る』というと、長年会社を守ってこられた経営者の方の中には、『会社が大きく変わってしまうのでは』と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし長年守り続けてきた技術や従業員の雇用など、その会社が本当に大切にしていることを変えずに守るためにこそ、必要な変化もあるのかなと思います。時代に合わせた業務の効率化など、『変えるべきところ』と『残すべきところ』はしっかり見極めるようにしています」

 これまで引き継いだどの会社についても、DNAは色濃く残っていると田沼氏は胸を張る。ただし、

「経営事情はそれこそ十人十色。それぞれに複雑な事情があることは重々理解しているので、まずはお気軽に相談だけでもいただけたらと思っています。その先で『DNAを引き継ぐ』ことのお力になれればなお嬉しいですが、そうでなくとも、業界の先輩からお話をお聞きできるのは私個人としても勉強になりますので」

事業を引き継いで生まれた「好循環」

 積み重ねてきたM&Aも相まって、エクシードグループ全体の売上高は10億円の大台に迫る規模にまで成長した。自社工場を得たことによって、「製品の作り手側の立場をより理解できるようになった」とも田沼氏は言う。

「商品を生産できるようになったことと、仕入先のネットワークが大きく広がったことによって、お客様に対する提案の幅が広がったのも大きいです。グループ企業も含めて、同じ部品をつくっているメーカーでも、それぞれの得意分野は異なります。より適した仕入先から商品を卸すことで、仕入先には無理な値引きをお願いすることもなく、お客様には価格面でも品質面でもより良い提案ができるようになりました。良い循環が生まれています」

 もともとはネジをはじめとした工業用部品の卸売りと、金属加工を主な事業としていたエクシードだが、小川製作所の事業を引き継いだことで、溶接、製缶といった領域へ、徳島エンジニアリングの事業を引き継いだことで、鋼材、特殊鋼などの領域へと事業を広げることができた。そしてこのたび、鋼材、特殊鋼の三立、そのグループ会社で大型フライス加工工場の三立プランナーアンドワークスという2社の事業を引き継いだことで、エクシードの得意領域をさらに深めることにつながったというわけだ。「“横”と“縦”、ともに良い形で事業が強まってきています」と田沼氏は自信を深める。

 さらに、会社の規模が大きくなれば、それだけM&Aを行う「体力」を得ることにもつながる。

「おかげさまで経営は安定しているので、今後はもっと『困っている会社の助けになれたら』という思いがあります。それが当社を成長させることにもつながりますし、何より『モノづくりのDNAをつなぐ、』という創業理念に適うことでもありますから」

 見え隠れする自信の裏には、揺らがぬ業界への謙虚な思いがあった。

※企画・編集=合同会社エクシード広報室
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